十分なレベルのRRR-α-トコフェロールを含む飼料と段階的なレベルのRRR-γ-トコフェロールを60日間にわたって与えたビタミンE欠乏ラットの血清および組織のα-およびγ-トコフェロール濃度に対する食餌RRR-γ-トコフェロール補給の影響を調査した。 RRR-α-トコフェロール添加飼料をラットに与えると、前脳、坐骨神経内膜、骨格筋、心臓および肝臓でα-トコフェロール濃度が顕著に上昇し、RRR-α-トコフェロール添加飼料を与えると、前脳、坐骨神経内膜、骨格筋、心臓および肝臓でα-トコフェロール濃度が上昇した。 一方、同量のRRR-γ-トコフェロールを含む飼料をラットに与えると、脳、坐骨神経終末、骨格筋、心臓および肝臓のγ-トコフェロール濃度はわずかに増加し、調べたすべての組織でα-トコフェロール濃度はわずかだが有意に減少した。 RRR-α-トコフェロールを一定量含む飼料とRRR-γ-トコフェロールを段階的に添加した飼料を与えたラットでは、すべての組織のα-トコフェロール濃度はRRR-α-トコフェロールのみを含む対照飼料を与えたラットの濃度よりはるかに高くなった。 γ/α比が高いほど、α-トコフェロール濃度は増加した。 また、ほとんどの組織において、γ/α比とα-およびγ-トコフェロール濃度との間に有意な正の線形回帰が認められた。 これらの結果から、飼料中にγ-トコフェロールを継続的に供給した場合、γ-トコフェロールは組織中に有意に蓄積されるが、その程度はRRR-α-トコフェロールを供給した場合よりもはるかに小さいことが判明した。 また、これらの実験から、γ-トコフェロールは血清および組織のα-トコフェロール濃度を低下させないことが示された。 それどころか、γ-トコフェロールの補給は血清および組織のα-トコフェロール濃度の顕著な上昇を誘発した。 これらの結果は、生体内のα-およびγ-トコフェロール濃度には関係があり、特に食事中に高レベルのγ-トコフェロールが存在する場合、α-トコフェロールの生物効力を再評価する必要があることを示唆するものである
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