木材の炭化(破壊蒸留)生成物の1つで、液状のもの。 オークやブナなどの木材から得られる広葉樹タールと、松の木、特に樹脂を含んだ切り株や根から得られる樹脂タールの2種類がある。 粗製木材タールは燃料として、またロープや木材の防腐剤、コーキング剤として使用されることがある。
広葉樹タールは、ピロリグニン酸から、酸からの沈殿物または酸の蒸留からの残留物として得られます。 粗パイロリグニン酸は木材蒸留の凝縮した揮発性の生成物である。 樹脂系木材タールは、広葉樹タールとは異なり、ターペンタインと呼ばれる心地よい香りのするテルペン類の混合物を含んでいる。 松材タールは、一般にストックホルムタールと呼ばれ、ロシア、スウェーデン、フィンランドの森林で盛んに作られている。 ターペンタインを蒸留した後の残渣で、通常は水蒸気を用いて蒸留する。 タールロープや麻ひもの製造、オークム用の麻繊維の含浸に広く使用される。 薬学では、軟膏や防腐剤の成分としてわずかに使用されている。 松材タールの蒸留物、特にクレオソート画分は、冶金学の泡沫浮選工程で使用されている
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