Total paracentesis associated with intravenous albumin management of patients with cirrhosis and ascites

大容量パラセンタシス(4-6 L/日)を繰り返すことは,肝硬変患者の腹水に対して有効かつ安全にアルブミンを静脈内投与できる治療法である. 腹水を1回の腹腔穿刺のみで安全に動員できるかどうかを検討するため(「total paracentesis」),緊張性腹水を有する肝硬変患者38例を対象に,total paracentesisとアルブミン静注(腹水除去量6~8 g/L)の併用投与を行った。 標準的な肝機能検査と腎機能検査,糸球体濾過量,自由水クリアランス,血漿量,血漿レニン活性,血漿アルドステロンとノルエピネフリン濃度を治療前後に測定した. 腹腔穿刺は,1 例を除くすべての患者において腹水の移動に有効であり,調査したどのパラメーターも損なわなかった. 腹水除去量および処置時間はそれぞれ10.7 +/- 0.5 L(平均 +/- SEM)および60 +/- 3分であった。 38例中5例(13%)が初回入院中に合併症を発症した(肝性脳症と消化管出血が各2例、培養陰性細菌性腹膜炎が1例)。 腎障害を発症した患者はいなかった。 この合併症発生率および再入院確率,再入院原因,治療後の生存率から推定した追跡調査中の臨床経過は,大容量腹腔穿刺を繰り返した患者での報告と同様であった. これらの結果は、緊張性腹水を有する肝硬変患者において、アルブミン静注に伴う全空腔穿刺が安全に実施できることを示し、これらの患者を1日入院体制で治療できる可能性を示唆するものである。