Objectives: ソノエラストグラフィーは、膿瘍腔や周囲の硬結など、皮膚や軟部組織の膿瘍の構成要素を可視化でき、患者の感染に対する反応に関連するものである。 膿瘍周囲の硬結の特徴から、どの膿瘍が最終的に治療に失敗するかを予測することができると推測している。
Methods: 都市部の三次医療施設の救急部から登録された外科的ドレナージが必要な皮膚膿瘍の疑いのある患者を対象に前向き試験を実施した。 このパイロット試験では,全患者が膿瘍の疑いに対して切開とドレナージを受けた。 膿瘍(n = 56)は,切開・ドレナージ前にBモード超音波検査とエラストグラフィーを用いて直交面(身体部位に対して長軸方向と横方向)で画像化された. 治療失敗を判定するため、最初のドレナージ処置から7~10日後に、標準化された質問票を用いた電話によるフォローアップが行われた。 患者の転帰について盲検化された医師が、膿瘍の硬結の所定の画像特性について超音波画像を解析した。
結果 全例が切開・排液を受けたが、16.1%が治療失敗であった。 周囲の硬結の非対称性は治療失敗と関連していた。 治療に失敗した患者の方が、治療に成功した患者よりも非対称性を有する割合が高かった(66%;95%信頼区間、35.1~88.3%;12.8%;95%信頼区間、5.6~25.6%;P = .003)。 全患者の膿瘍腔と硬結の平均体積±SDはそれぞれ2.2±3.7と19.9±24.7cmで、平均体積比(硬結/膿瘍腔)は31.9対1であった。
結論 ソノエラストグラフィで撮影された膿瘍硬結の治療失敗と関連する超音波学的特徴について述べた。 ソノエラストグラフィで描出される硬結が非対称である患者は治療失敗率が高いことがわかった。