3d遷移族元素の3フッ化物の中性子回折実験を行った。 これらの三フッ化物の磁性イオンとアニオンの配置は、先に反強磁性が研究されたLaMO3化合物の配置と類似している。 VF3では反強磁性転移は観測されなかった。 CrF3、FeF3、CoF3では、磁性イオンは介在するアニオンを介して6つの最近傍のそれぞれと反強磁性的に結合していることが観測された。 これはLaCrO3やLaFeO3などの化合物で見られる構造と同じである。 三フッ化物の場合、立方対称性からの歪みにより、結晶軸に対するスピンモーメントの向きを決定することができ、1つのケース(CrF3)では、試料に磁場をかけることで反強磁性ドメインの特性を調べることができた。 MnF3では、以前LaMnO3で観測されたタイプの反強磁性層構造が発見された。 これらの化合物における間接的な磁気的結合は,結晶場によるd準位の分裂に起因する軌道と相関している。