Life & Thyme

Niki Nakayamaは、カリフォルニア州ロサンゼルスにある懐石料理レストラン「n/naka」のオーナー兼シェフを務めています。

ロサンゼルスで生まれ育ったニキは、日本料理の厳しい技術、芸術、哲学を学ぶために日本に渡り、料理人としての道を学びました。 カリフォルニアに戻った彼女は、一皿一皿に思いを込めた新しい食のスタイルをLAのコミュニティーに伝えたいと思うようになりました。

写真家&のマラット・シャヤとともに、n/nakaのキッチンでシェフのニキが夜のメニューを準備しているところです。

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どのタイミングで料理の道に進もうと思われましたか? そこで起きているフードシーンを見て、とても興奮しました。 日本人は、食を自分の出身地のアイデンティティのようなものとして考えていると思うんです。 食に対する感謝の気持ちは、日常会話の一部になっています。 従兄弟の旅館で勉強しました。 ここでは食べられないような料理も食べられました。 信じられないほどすばらしかったです。 日本食といえば、照り焼き、天ぷら、寿司を連想する人が多いと思います。 でも、日本食には、そのとき手に入るもの以外にもたくさんのものがあるんです。

日本滞在中は、懐石料理を中心に勉強されたそうですね。 一度に何種類もの料理を食べるというのは、今まで経験したことがありませんでした。 日本の多くの旅館では、料理を出すとき、懐石料理を基本にしています。 伝統的な、宴会スタイルです。

どんな料理ですか?薄切りの刺身を昆布に漬ける料理があります。 昆布のうま味を魚に染み込ませるためです。 調味料はほとんど必要ありません。 お正月には、多くの料理を前もって作っておき、お正月に2〜3日、料理を作らないようにします。 おせちと呼ばれるスタイルがある。 おせちは通常、三段重ねの箱に入っています。 それぞれの箱には、調理されたさまざまな種類のものが入っています。 一の重は酢の物や漬物、二の重は煮物、三の重は焼き物などです。

正月料理の多くには、その裏にアイデアがあります。 例えば、昆布を使った料理がありますが、日本人は昆布のような言葉を、それらしいものに変えるのが好きなんです。 昆布は「よろこぶ」という言葉と結びつけられる。 だから、昆布をあの箱の中に入れるんです。

私たちは、日本の伝統的な刺身の調理法である昆布締めを考え出しました。 巻くと巻物になるのが代表的です。 巻物の中には、知識と知性という考え方があります。 この巻物の中に魚が入っているのですが、私が使った魚は日本の鯛、つまり真鯛です。 鯛は魚の王様と呼ばれるほど、昔からおめでたい魚です。 この巻物に知性と幸福を込めて、ゲストに贈ることができたらと思いました。

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日本では料理に意味を持たせることが多いのですか?

特に懐石料理はそうだと思います。 例えば、秋はお月見ということで、多くの人が好きな季節です。 多くのシェフが月の祭典のために料理を作り、その料理のすべてがその月の祭典を象徴しているのです。 月に見立てた野菜を切ったり、秋に見立てた葉っぱを添えたりするんです。 秋のお月見を楽しむ季節になったんだということを、お客様に伝えるためなんです。

あなたにとって、インスピレーションやモチベーションとなるものは何ですか?

常に、伝統的なものとの絶妙なバランスを見つけようとすることだと思います。 伝統には素晴らしいものがありますが、伝統的なものすべてが今に通用するわけではありません。 そのアイデンティティを失わず、かつ新しい発想をそこに付与することです。 あるべき姿を保ちつつ、私たちが何をしているのか、私たちは何者なのかを表す何かを加えなければなりません。

日本人とアメリカ人の料理人としての違いについてお聞かせください。 例えば、私が弟子をとるとしたら、その弟子は私が学んだことを伝えたいと思うような、ものすごく信頼できる人です。 一貫して何かをやっていると、たとえ1年間ご飯を炊くにしても、とても面倒に思えるかもしれませんが、それだけ厳しい修行なんです。 お米を触ったときに、同じ袋のものなのか、違う袋のものなのか、食感が違うということがわかるように。 今日の米は昨日の記憶より少し硬いかもしれない。つまり、今日の空気中の湿度に応じて、水を少し減らせばいい。 もう少し水を多くすると、お寿司を作るときにご飯が割れてしまって、その形が崩れてしまうかもしれません。

「人生には何事も、受け継がなければならない素晴らしい伝統と、時代に合わせて変えていくべき伝統とがある」

調理師学校に行ったとき、短期間にたくさんのことを学ぶことができていい経験だったと思っています。 でも、モノを作るときは一度しか作らないことが多いんです。 でも、一回しか作れないものが多くて、”これをマスターした!”と言えるものがなかったんです。 ありえない。 常に何かをやり続けて、面倒なことも全部学んでいかないと、本当に身につかないんです