子供の注意欠陥/多動性障害(ADHD)のサブタイプを研究する研究者は、白昼夢の症状で代表される緩慢な認知テンポ(SCT)を持つサブセットを同定している。 精神錯乱、だるさ-無気力行動、多動性など、ADHDとは多くの点で異なる。 成人におけるSCTの性質と相関を検討した研究はない。 この研究では、一般人口を対象として、SCTの症状が高い者(95%以上)を特定し、ADHDの症状が高い成人、SCTとADHDの両方の症状を持つ成人と比較した。 18~96歳の米国成人1,249人の代表的サンプルから、4つのグループを作成した。 (a) SCTが高レベルだがADHDではない(N=33)、(b) ADHDが高レベルだがSCTではない(N=46)、(c) SCTとADHDの両方が高レベル(N=39)、 (d) 残りの成人をコントロールグループとした(N=1,131)。 子供と同様に、SCTはADHDの症状とは異なる次元を形成しており、年齢、性別、民族性とは無関係であった。 両ADHD群の成人は、SCTのみの成人や対照群の成人に比べて若かった。 SCTのみ群は対照群より学歴が低く、一方、両SCT群は対照群またはADHDのみ群より年収が低かった。 複合群では、より多くの人が障害で職を失っていた。 EFでは、両SCT群とも、自己組織化および問題解決に関する困難が、対照群またはADHDのみの群よりも大きいと報告された。 それ以外では、SCT+ADHD群は、EFの他のすべての領域で、他の群より有意に大きな問題を報告した。 しかし、SCTのみとADHDのみの両群は、互いに差はないものの、対照群よりもEFの困難さが有意に大きかった。 同様のパターンは、心理社会的障害のほとんどの評価において明らかであったが、SCTがADHD単独群よりも障害度が高い仕事と教育、ADHDがより障害度が高い運転は例外であった。 SCTは、ADHDの不注意や多動性衝動症状とは別に、EFの欠損や心理社会的障害に独自の差異をもたらした。 さらに、9つの症状のうち5つ以上が障害の要件となる場合、人口の5.1%がSCTに罹患していることが示唆された。 このことから、SCTはADHDとは別の疾患でありながら、それぞれの症例の約半数に併存している可能性があると結論づけられた。