高地におけるディーゼルおよびバイオディーゼルを燃料とする大型ディーゼルエンジンの燃焼特性とブレーキ熱効率の比較

高地(4500m)におけるディーゼルおよびバイオディーゼル(FAME100%)を燃料とするディーゼルエンジンの燃焼特性およびブレーキ熱効率を比較検討した。 エンジンはEURO III規格の6.7L大型ターボチャージャー付きコモンレールディーゼルエンジンを使用した。 本報では,実験室での模擬試験ではなく,高地でのオンボードエンジンベンチシステムによる試験を実施した. 運転条件は、低速高負荷と高速高負荷の2種類を選択した。 また、ディーゼル燃料とバイオディーゼル燃料を使用した場合のエンジンのキャリブレーションは行わず、ディーゼル燃料とバイオディーゼル燃料を使用した場合のエンジンのキャリブレーションを行った。 実験の結果,予混合燃焼時間におけるバイオディーゼル運転時の熱放出率のピークは,ディーゼル運転時よりも若干早いが,低いことが判明した. ディーゼル燃料とバイオディーゼル燃料の燃焼開始時間および燃焼時間はほぼ同じであった. バイオディーゼルのCA50は,両運転条件とも0.4°CAの遅れであった. バイオディーゼルを燃料とすることで,エンジンのBTEは約0.6%減少した. 一方,BSEC,BSFC,体積BSFCは約2%,17%,11%増加した. 排気マスフローの比較から、バイオディーゼル燃料は高地走行時の新鮮空気消費量の低減に有効であることが示唆された