生理的に非分裂のヒト末梢血リンパ球のリボソームを、高および低イオン強度のスクロース勾配で超遠心分離にかけた細胞質抽出物の紫外線吸収測定によって研究した。 細胞質リボソーム全体の少なくとも70%は遊離リボソームであり、低塩では80Sで沈降し、高塩では40Sと60Sのサブユニットに解離した。 これらの粒子はタンパク質合成に関与していなかった。 残りのリボソームは、ネイティブサブユニット、活性モノソーム、より大きなポリソームに等しく分けられた。 遊離リボソームは、無傷の細胞内では80S粒子として存在し、標識研究により、自由にタンパク質合成成分のプールに戻ることはないことが示された。 新しいリボソームは、まずネイティブなサブユニットとして、またポリソームとして出現した。 15分から20分のタイムラグの後、粒子は遊離リボソームプールに入り始めた。 このように、遊離リボソームは、タンパク質合成プールから絶えず粒子を除去し、不活性な80S粒子の蓄積として封じ込める一方向の流れによって、静止細胞内で生じるのである。 ネイティブサブユニットから遊離リボソームへの移行は、サブユニットの会合挙動における機能的変化と、サブユニットの沈降挙動の変化を伴っている。 これらの変化は、翻訳を開始する前にサブユニットの効果的な解離を可能にするために必要なタンパク質が、遊離リボソームから欠落していることに起因している可能性がある。 この解離因子の欠乏が、安静時細胞における遊離リボソームの継続的な形成に関与している可能性がある。 我々のデータはまた、開始因子の欠乏に起因すると思われるタンパク質合成の開始速度の制限を示唆している。