カリフォルニア大学の科学者たちが、神経系の起源を発見しました。 サンタバーバラ大学は、動物の中で最も古いとされる海綿のゲノムを研究し、神経系の進化的起源に関する重要な手がかりを発見しました。
この研究結果は、Public Library of Science誌のPLoS ONE誌(6月6日号)に掲載されています。
「神経系を持たない海綿が、シナプスの遺伝子構成要素のほとんどを持っていることがわかりました」と、共著者でカリフォルニア大学サンタバーバラ校生態学・進化・海洋生物学部のトッド・オークリー助教授は述べています。
さらに驚くべきことは、海綿タンパク質に、おそらくヒトやマウスのシナプスにおけるタンパク質と同様の方法で互いに作用することを示す『サイン』があるということです」と、オークリー氏は語りました。 「このことは、神経系を構成するこれらの遺伝子の起源を、最初の動物が誕生した時点かそれ以前にまで遡らせるものです。「神経系のように複雑なものを分析する場合、どこから始めればよいのかわかりません」と、UCSBの神経科学研究所の共同ディレクターであり、神経科学研究のハリマン講座を務めるケン・コシック(Ken Kosik)上級研究員は説明しています。 一方、現存する最古の動物である海綿動物には、ニューロンもシナプスもありません。 コシックは、「私たちは、海綿動物と刺胞動物の間の進化期を、神経系が誕生した時期、約6億年前と見ています」と述べました。 シナプスは、細胞のコミュニケーション、学習、記憶に関与しています。 次に研究者たちは、シナプス遺伝子のどれかが海綿に存在するかどうかを調べました。
「驚いたのはその時です」とKosikは言いました。 “我々は、神経系を作るための多くの遺伝子が海綿に存在することを発見しました。” 研究チームはまた、これらの遺伝子が海綿の中で一緒に働いていることを示す証拠も発見しました。 タンパク質のうちの2つが相互作用する方法とその原子構造は、人間の神経系に似ています。
「私達は、海綿にこの謎の未知の構造を見つけ、進化がこの構造全体を取り、小さな修正で、その使用を新しい機能へと向けることができたことは明らかです」と、コシックは言いました。 進化は、このような「既製品」の部品を、新しく興味深い方法で組み合わせることができるのです」
この論文は http://www.plosone.org/doi/pone.0000506.
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