レポート古代オオカミのゲノムから、家庭犬の祖先の早期分岐と高緯度品種への混血が明らかに

家庭犬の起源はよく分かっていません … 続きを読む 最終氷期最盛期以前の化石に見られる犬らしい特徴の証拠と、犬と世界中のオオカミ集団との分岐を示す遺伝学的推定値とは相反するものである。 本論文では、シベリア北部のタイミル半島に生息する3万5千年前のオオカミのゲノム配列のドラフトを紹介する。 この個体は、現在のオオカミとイヌの共通祖先から、家庭犬系統の出現に極めて近い時期に分岐した集団に属していることがわかった。 我々は、直接年代を測定した古代オオカミのゲノムを用いて、オオカミとイヌの分子タイムスケールを再調整し、突然変異率がこれまでの多くの研究で想定されていたよりも大幅に遅いことを発見した。これは、イヌの祖先が最終氷期最大期の前に現在のオオカミから分離したことを示唆するものである。 また、古代のタイミルオオカミ系統から現在の北東シベリアやグリーンランドの犬種に導入された証拠が見つかり、その祖先の1.4%から27.3%が寄与していることがわかった。 このことは、現在の犬の祖先が複数の地域のオオカミ集団に由来していることを示している